こんにちは。ゆうママです。
今回は『口育』の我が家の体験記をお伝えします。
こんなお悩みありませんか?
- 普段から口がポカンと開いていることが多い
- 食事中に口を閉じられず、くちゃくちゃと音がする
- よだれが他の子より出ている
わが家の息子も、まさにそんな状態でした。
さらに息子はダウン症があるため、「筋力が弱いから仕方ない」とあきらめていた部分もあります。
小さい頃からフッ素塗布のために通っていた歯科医院でも、相談するたびに「問題ないです」「まだ小さいから仕方ないですね」と言われるばかり。
本当に何もできないのでしょうか?
しかしある日、「口腔機能発達不全症」という言葉を知り、そして『口育(こういく)』という取り組みに出会ったことで、息子の生活に変化が訪れました。
同じようにお子さんの口に関する悩みを抱えるご家庭に向けて、専門的な診断・アプローチ・家庭での練習法まで、我が家の実体験をもとにお伝えします。
同じような悩みを持つ親御さんに、私たちの経験が少しでも参考になれば幸いです。


口腔機能発達不全症の可能性
「口腔機能発達不全症」という言葉をご存じでしょうか。
噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった口の基本的な機能がうまく育っていない状態を指します。
なんと、健常児でも約5人に1人がこの状態にあるといわれています。
息子の症状と重なる部分も多く、ようやく「もしかして原因があるのでは?」と気づくことができました。
口腔機能発達不全症とは?
口腔機能発達不全症とは、お子さんの食べる・飲む・話すなどの口の機能の発達が年齢に見合わず遅れている状態を指します。2018年に保険診療で認められるようになった比較的新しい病名です。
- 口呼吸・口ポカン:普段から口が開いている状態が続く
- よだれ:年齢に比して多い、または長く続く
- 食べ方の問題:偏食が激しい、丸呑みする、口を閉じずに食べる
- 飲み込みの問題:うまく飲み込めない、むせやすい
- 発音の不明瞭さ:年齢相応の発音ができない
- 噛む力の弱さ:硬いものが噛めない、噛む回数が少ない
- 舌の位置や動きの異常:舌が常に下がっている、舌の動きが未熟
こうした症状は一つだけではなく、複数組み合わさって現れることが多いです。


口育(こういく)専門の歯科医院との出会い
知人の紹介で「口育(こういく)」を専門的に行う歯科医院があることを知り、すぐに予約を入れました。
口育とは「口腔育成」の略で、お口の機能を適切に発達させるための取り組みのこと。
単に虫歯を治すだけでなく、噛む・飲み込む・話す・呼吸するといった口の基本機能を育て、全身の健康や成長をサポートする専門的なケアです。
最近では、子どもの口腔機能の発達に注目が集まり、こうした専門的なアプローチを行う歯科医院も増えてきています。
我が家からは少し距離がありましたが、息子のためならと思い切って受診することにしました。
初めて指摘された「口のクセ」と問題点
こちらの歯科医院で初めて、息子の口の動きや癖について専門的な視点から指摘を受けることができました。
問題1:口ポカン
口周りの筋肉、特に唇の筋肉が弱く、食事中も口を閉じながら噛むことができていない。そのため食べる際にくちゃくちゃと音がする。
問題2:困った癖
集中したときや不安なときに下唇を吸う癖があり、この癖によって下の歯が全体的に内側に倒れている。また、歯が倒れていることで磨きにくい箇所があり歯石がたまっている。
問題3:止まらないよだれ
本来、口を閉じているとき舌は口内上部に付いているべきですが、息子の舌は常に下がった状態にあるため、唾液がコントロールできずに出てしまう。唇周りの筋肉が弱い。
問題山積です。今まで歯科に通っていましたが、指摘されたことのない内容にやっぱりの気持ちと驚きで、「口育」の重要性を再認識。
医師と歯科衛生士さんからは「すべてを一度に治すことは難しいので、少しずつ生活の中で改善していきましょう」とアドバイスをいただきました。


家庭でできる!わが家の口育プログラム
現在、お子さんの口に関して悩みのある方で「口育」が受けられない方は、参考にしてみて下さい。
1.ストロー飲みからコップ飲みへ戻す
息子は以前はコップで飲んでいましたが、ストロー飲みを覚えてからはずっとストローを使用していました。しかし再びコップ飲みに切り替えました。
ポイントは「両手でコップを持たせる」
- 姿勢が安定し、首〜口の筋肉を使える。
- コップの縁に口を当てる動作で口輪筋(口の周りの筋肉)が鍛えられる。
- 飲み物を少量ずつ丁寧に飲む習慣がつき、顎の位置や動きも自然になるのだそうです。
2.大きなスプーンで「啜り飲み」の練習
親に余裕があるときは、カレースプーンのような大きなスプーンで啜り飲みを繰り返し練習します。
ポイントは「大きなスプーンの横から啜り飲み」スプーンは傾けず、自分の唇の力で吸わせる。
- 唇でスプーンの縁を閉じる動作で、口周りの筋肉が発達。これは「口ポカン」の直接的な改善に。
- 舌を前後に動かしたり持ち上げたりするため、普段下がったままになっている舌の位置を適切な位置(口蓋側)に持ち上げる練習に。下がったままになっている舌の位置を正しい舌の位置(口蓋側)を覚えられる。よだれの改善に。
- 大きなスプーンを使うことで口の開閉筋のトレーニングにもなる
- 一度に少量の液体を扱うため安全で、スプーンの形状が正しい口の形を覚える助けにもなります。
これらの習慣を続けることで、口周りの筋肉を少しずつ強化していく予定です。
専門家の先生によると、このような細かい訓練の積み重ねが、口腔機能の発達を促し、よだれや口ポカンなどの改善につながっていくのだそうです。


口育は全身ケア
今回の診察では口の癖や口内を重点的に見ていただきましたが、次回は姿勢についても診ていただく予定です。
口腔育成は単に口周りだけの問題ではなく、全身の健康に関わる重要なケアであることを知りました。
数週間で見えた、驚きの変化
口育のトレーニングを始めて数週間で、早くも嬉しい変化が見え始めました。
朝晩、できる限り息子に水分を与える際は大きなカレースプーンを使って啜り飲みをさせています。
最初のころ、スプーンが口に近づいてくると大きく口を開けてスプーンごと口に入れようとしていました。「啜る」という行為に慣れていなかったのですね。
元々コップ飲みをしていた経験があったためか、すぐに啜ることを理解してくれるようになり、徐々に上手になってきました。
時には「ズズッ」と音がするほど上手に啜れるようになったのです。
そして数週間が経ち、心なしかよだれが減ってきたように感じます。
妹の存在が教えてくれた「大事なこと」
さらに驚いたのは、1歳半の妹の存在がきっかけで新たな発見があったことです。
兄のスプーンで飲む姿を見て「自分もやりたい」というので試させてみると、なんと啜ることができないのです。
これには正直驚きました。コップ飲みができているから啜ることも上手だと思い込んでいましたが、この間違いに気づけて本当に良かったです。
今では妹も啜り飲みのトレーニングをスタートしています。
そして、娘もまたよだれが多かったのですが、数週間でかなり減ってきました!
もちろん、二人にスプーンで水分を与えるのはなかなか大変な作業です。無理しすぎない程度で続けることを心がけています。


まとめ:早すぎることはない。口育は全身ケアの第一歩
まだ口育を始めたばかりですが、これからの効果と結果がとても楽しみです。
もし同じような悩みを持つ親御さんがいらっしゃったら、「早すぎる」ということはないので、ぜひ専門の歯科医院での相談をお勧めします。
今回の記事に書いた以外のトレーニングも既に始めていますので、また次の記事で詳しくお伝えしたいと思います。

