こんにちは。ゆうママです。
ダウン症の息子4歳に文字を教えるのには本当に苦労しました。
現在も苦労しています（笑）
とにかく第一歩を踏み出すまで、毎日試行錯誤を繰り返して遂に「ひらがな」を読み始めてくれました！これは大きな一歩です。
そんな試行錯誤を記事にしましたので、今まさに「ひらがな」を教えようと思っている親御さんの参考になれば幸いです。
つまらない顔から始まった息子の文字の世界
絵本が大好きな息子。
「文字が読めたら、もっと世界が広がるはず」—そんな思いで文字を教えようと決めたのですが、親の想いはそう簡単には伝わりません。
息子はダウン症があり、現在4歳。成長ゆっくり。
文字に自分から関心を持つことはほとんどなく「これは親が工夫するしかない！」と、試行錯誤スタート。
息子にとって「文字」は、かわいくもかっこよくもない、ただの“細い線”。
大好きな絵本も主役はもちろん「絵」。
その上にちょろちょろとある「線（文字）」には全く興味なし。
息子が実際にそう言ったわけではありませんが、文字を見せた時のつまらなそうな顔を見て、これは長い戦いになりそうだと覚悟しました。
今回は、そんな息子が「つまらない顔」から「大はしゃぎ！」に変わった、わが家の文字あそび作戦をご紹介します。
作戦①：絵本を読むときは、指で文字をなぞる
絵本を読むと、息子は私の顔や絵ばかりを見る。
そりゃそうですよね。
でも、「私が文字を見ながら読んでいるんだよ」ということに気づいてほしくて、読むときには必ず指で文字をなぞるようにしました。
すると、最初は不思議そうに見ていた息子が、次第に私のマネをして指でなぞりながら読むように！
親のすることを真似したい歳だったのも良かったのでしょう。
さらに嬉しいことに、通っている七田式教室でも同じ取り組みをしていたため、息子の中で「本を読むときは文字を指でなぞるもの」という意識が自然と育ちました。
作戦②：お風呂は学びのゴールデンタイム！
「お風呂時間＝学びのチャンス」と思っています。
小さなお子さんのいるお家ではよく見る光景かと思いますが、我が家でも小さな頃から、お風呂の壁にはアルファベット表やひらがな表を貼っていました。
発語が始まった頃には、動物や野菜の名前を一緒に覚え、とても発語に役立った発語お助けアイテム。
お親子がゆっくり向き合えるお風呂時間は、息子にとって集中しやすい学びの場。
英語の「ABCソング」を指さしながら歌っているうちに、すぐに息子もまねして歌うように。
「ひらがなでも同じように！」と思ったのですが…残念な事に肝心の『ひらがなソング』を私は知らないし、もちろん作曲できるような才能もなく。
しかたなく「あ・い・う・え・お」と唱えながら指差しを続けましたが、息子は明らかに退屈そう。
それでも何度も聞かせていたおかげで、気が向いたときには「かきくけこ」「あいおえお」と口にはするように。
ただ、まだ“文字そのもの”には興味が向かっていない様子。
残念！
作戦③：習い事でひらがなに親しんでもらう
息子の通っている「七田式教室」では毎週ひらがなの学習があります。
「またあのつまらない顔かな…」と内心ドキドキしていたのですが、始まったのは「歌」からの導入！
歌が大好きな息子にはピッタリで、意味は分からなくてもニコニコで参加して歌もあっという間に覚えました。
とにかく「文字」には「音」がある。それを少しづつ理解してくれました。
ある日、先生がひらがなの「く」を見せると「『く』だ！く！くー！」と大喜びする息子。
もしかして覚えた？ひらがな第一号？？
半信半疑。期待しすぎるとがっかりしちゃうから偶然だと思おう！そんな事を考えていました。
帰りの車でも「く！」と何度も口にし、幼稚園に着いたときには下駄箱の前で、
「ママ！『く』だ！『く』だよ！」と指差し。
そこにあったのは、なんとお友達の名前に含まれていた『く』の文字！
ついに……やったー！ひらがな1文字を覚えた瞬間でした！
たった1文字。でも、ここにたどり着くまでが本当に長かった。
息子は嬉しそうに飛び跳ねていました。
私だって息子に負けないくらい飛び跳ねたかったけど、周りに園児と先生がいたので我慢（笑）
作戦④：ひも！
たまたま息子と遊んでいた時に、息子がちょっと太いひもで「〇」や「△」を作って遊んでいました。
「これは使える！」そう思い、ひもで『く』を作って見せると、息子はハッとした顔をして
「くー！」
そのまま『し』の形に変更したり、『つ』『の』と変えていくと息子の目がキラキラ。
「つまらない線」が「おもしろい線」に変化したなと、息子の目を見ればはっきりと分かりました。
やはり遊びの延長に子どもの学びはあるのだと実感。
ただの紐ですが形を覚えるのにも使えるし、お金はかからないし、最高アイテム発見。
『く』探し、始まる！
この日から息子の“『く』探し”が始まりました。
病院のポスター、スーパーの看板、絵本の中——
『く』を見つけるたびに「あったー！ママ見て！やったー！！」と大騒ぎ。
毎回ピョンピョン跳ねて喜ぶ姿に、私は「よく見つけたね！」と落ち着いたふりをしながら、心の中では涙が出そうになるほど感動していました。
成長ゆっくりさんの、成長の階段は1段1段が、本当に感動的な瞬間で、待たされた事ほどその瞬間の喜びは大きく感動的。
口には出さなくても、実は分かっている文字がある！？
『く』が言えるようになった後、なかなか次の文字に進まない様子に少し焦りを感じていた頃。
ふと、以前使っていた「おのまとぺカード（擬音語・擬態語）」を使って遊ぶことに。
そして以前、児童発達支援の先生から教わった言葉を思い出しました。
「シールでもなんでも、一度にたくさん見せて“どれがいい？”と聞くと、子どもは混乱する。最初は2択から始めましょう」
それを思い出し、ひらがなカードも2枚ずつ見せて、カルタのように「どっちかな？」と選ぶ遊びに。
すると、『く』しか覚えていないと思っていた息子が、9割以上の正答率で正しく選ぶではありませんか！
もしかして……実は頭の中には、ちゃんと“わかっている文字”がたくさんあるのかも！
その時、「今までの積み重ねはムダじゃなかったんだ」と、嬉しさがこみ上げてきました。
最後に：焦らず、でもあきらめずに
ゆっくりだけど、確実に。
息子は少しずつ文字に興味を持ち、覚え始めています。
「文字」を教えるって本当に大変でした。
特に発達がゆっくりなお子さんを育てている方には、毎日心がぽきぽき折れる思いをされているかもしれません。
でも私は、「興味がないように見えても、子どもの頭の中にはちゃんと蓄積されていて、それがあふれるときが来る」と信じています。
そして何より大切なのは、「楽しむこと」。
絵本を見てくれない、カードを投げる、文字は見ずに絵ばかり。
そんなことがあっても、積み重ねの先には、きっと「できた！」「わかった！」の瞬間がありました。
絵しか見ていない日も、「絵本を手に取ってくれた！」
カードを投げてる日も、「カードで遊んでくれた！」
そんな風に、100点満点の基準じゃなく、“できたこと”に目を向けることで、親子の笑顔が少しずつ増えていく。
私はそう信じて自分の焦りをコントロールするようにしています。
もちろん今日の私はダメだったな…なんて思う日はしょっちゅう。
ある日焦る私に主人が言いました。
「生きてるだけで、元気なだけで100点だと思わない？」
確かに。私という生き物は時に欲張りで、ちょっと出来ることが増えてくると「もっと」というよこしまな気持ちが顔を出して、いつの間にか多くを子どもに求めようとしてしまって、「出来たら褒める」という行動に出ます。
もちろん出来たら褒めて当然ですが、出来たことより、努力した過程や楽しんでくれたことを褒めることを忘れてしまいます。
そして何より、息子が生まれた時に思った「生きててくれるだけで良い」この気持ちを、置き去りに。
日々反省を繰り返しながら息子に育ててもらいます。
この「文字」への挑戦でも、息子から多くの事を学び感謝しています。
「焦らず、でもあきらめずに」
これが本当に一番大切でした。
