ダウン症児育児に「療育」はどのくらい必要?家庭でできるサポートとは

ダウン症子育てをとことん楽しむブログ

こんにちは。ゆうママです。
本日も『脳育』がんばります!

わが子が「ダウン症」と診断されたとき、子育てについて何をどうすれば良いのか、誰に相談すればいいのか分からず、不安で検索魔に。

専門職でない限り、「ダウン症」について詳しく調べたことがある人は少ないですよね。
ましてや自分の手で育てる我が子となると、「染色体が1本多い」や「発達が遅い」といった情報だけでは到底不十分。

検索していると出てくる分からない言葉や専門用語。

中でも私が最初に悩まされた言葉は「療育」。

「療育って何?どこで受けられるの?専門家はどこにいるの?」

不安に思い、さらに検索を重ねるうちに、出てきたのはこんな言葉の数々。

  • 「早期療育」:ダウン症の子どもにとって、療育は早ければ早いほど良い
  • 「日本は療育が遅れている」:アメリカでは生まれてすぐに療育が始まる
  • 「療育の有無で子どもの未来が変わる」:療育がなければ将来が大きく変わる

こんな言葉に心が追い込まれそうに。
でも大丈夫!
今、親御さんがお子さんと遊んだりおしゃべりしたりしているその瞬間、それが「療育」だってご存じですか?

「療育」とは?

  • 障害のある子どもやその可能性がある子どもに対し、発達をサポートし自立して生活できるように支援する取り組み
  • 子どもたちが社会で自立して生活できるように、その子の個性や発達に合わせた支援を行う
  • 個別の支援計画を作成し、適切な支援を進めていく
  • 日常生活の基本的なこと、例えば食事や排泄を自分でできるようにするための支援、運動能力や言語能力を高めるためのトレーニング
  • 子どもだけでなく、家族への支援も一緒に行われることが多い

療育に関連した言葉としては、「発達支援」(児童福祉法に基づく)があり、児童発達支援施設は「児発(じはつ)」と略されることもあります。

ベビーハイチェア『ビヨンドジュニア』

我が家の「療育」の経緯

「療育」という言葉を聞いたとき、正直なところ、何から始めたら良いのか分からず、焦りの気持ちでいっぱい。

息子が3ヶ月の頃、住んでいる市内の「療育」と名のつく施設に何軒も電話。
しかし、どこも答えは「まだ早い」。

「早期療育」と聞くと、アメリカでは生まれてすぐに療育が始まるとも聞いていたため、私の焦りは募りました。
「何かが足りないのでは?」「もっと早く始めるべきでは?」という不安な気持ちがどんどん大きくなり、私は焦りながら電話をかけ続けました。

ようやく見つけた療育施設

何軒目かの施設でようやく、「先生の診断を受けて、先生が受けてもよいと判断すれば受け入れますよ」と言われ、急いでその施設に。
私が選んだのは障害のある子どもにリハビリを行う施設で、担当の先生からは

「まだ早いけど、どうしてもお母さんが通いたいのであれば、PT(理学療法)なら受けられますよ」と言われました。

限られた通院回数と不安

月に2回という回数制限と、家からの往復1時間という距離のため、通うのが大変でしたが、それでもようやく見つけた「療育」と呼ばれる場所で、少しでも何かを学べることに安心感を覚えました。

しかし、常に「もっと他に通う場所はないのか?」という不安は拭えません。

PTの先生のおかげで、専門的な知識や息子の身体に関する問題点について学べたことはとても有益でしたが、それでも何かが足りないという気持ちが続きました。

1歳前に通い始めた「児童発達支援施設」

そこで、1歳前に「児童発達施設」に通い始めることにしました。
この施設には専門的なPT(理学療法士)、OT(作業療法士)、ST(言語聴覚士)はいませんでしたが、発達の知識と経験が豊富な先生方が、息子の発達を促すためにサポート
また、親への聞き取り、勉強会など内容はとても充実。
先生方のおかげで、自宅ではできなかった自食ができるようになり、歩く練習を積み重ねたりすることができました。

遠いリハビリ施設と仕事の両立

PTの回数は少なかったものの、専門的な指導を受けることができ、自宅で実践できる内容が多く、とても満足していました。

しかし、リハビリ施設は自宅から遠く、仕事を始めると通うのが大変になってきました。
通い続けるべきか、児童発達支援だけにするのか迷いました。

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「療育」と「児童発達」の違い

「療育」と「発達支援」は、現在ではほぼ同じ意味で使われています。
混乱を招くこともあるかもしれませんが、実はこの2つには大きな違いはありません。
療育施設は専門家によるリハビリテーションを受けられる大きな施設を指します。

「発達支援」とは?

「発達支援」という言葉は、従来の「療育」の概念を発展させたもの。
具体的には、障害のある子どもだけでなく、その家族への支援も含まれています。
さらに、地域機関(保育所、幼稚園、こども園など)への支援も含まれるため、支援の範囲が広く、地域全体でサポートを提供するという特徴があります。

リハビリ施設=療育?

私自身、リハビリ施設を「療育」と捉えていたため、PTをやめることに迷いがありました。
しかし、実際には「発達支援施設」での支援があれば、無理に別の施設でリハビリを受けなくても良い場合があることがわかりました。

ダウン症児には絶対に「療育」が必要か?

ダウン症と診断された子どもには必ず「療育」と呼ばれる施設に通う必要があるのでしょうか?

主治医の見解

医師はこう言いました。
「息子さんはPT(理学療法)、OT(作業療法)、ST(言語療法)すべて必要ありません。」

これには正直、驚きました。
医師の見解としては、「ダウン症児」だから必ずいつも専門家が必要ということではなく、遅れの状況によって必要に応じて取り入れることがリハビリの有効的な通い方だということ。

リハビリ(PT, OT, ST)が必要な場合

リハビリが効果的であるのは、発達のバランスが悪い場合、もしくは専門家に必要と判断された場合。
例えば、運動や社会性、姿勢などが遅れている一方で、言語発達が著しく遅れている場合には、言語面だけを引き上げるためのリハビリが有効となります。

もちろん、親御さんがお家で発達を促すために知識のある専門家にアドバイスを頂くのはとっても大切。

日常生活の中にも最高の「療育」

そこで、息子が通っている児童発達施設の先生にも相談。
すると、目からうろこな意見。

「療育には専門家にしかできないこともありますが、お母さんと遊ぶこと、お友達と遊ぶこと、兄弟と遊ぶこともすべて『療育』です。生活の中で子どもが周りから刺激を受けること、それも立派な療育です。」

この言葉を聞いて、私はこれまでの「療育」についての考え方が大きく変わりました。
専門的な知識を持った専門家だけができることだと思い込んでいた「療育」は、実は日々の生活の中で、親や周囲の人々とのふれあいを通して行われているのだと気づいたのです。

「療育」は必ずしも専門施設に通わなければならないわけではなく、日常の中で得られる刺激や経験も、実は大切な療育であるということがわかりました。

ダウン症神話

のちに「ダウン症神話から自由になれば子育てをもっと楽しめる」を読み、こちらの書籍にも、日常の中に療育があることが書かれていました。

お時間のある方はぜひ!

「お家療育」も最高の療育

家でできる最高の療育

  • 家で親や兄弟と遊ぶ
  • お友達と遊ぶ
  • 絵本を読んだり、歌を一緒に歌う

子育てをしていて、当たりまえのように家庭内で行われていることが「療育」。

日常的に家庭内で行っている当たり前のことが、実は「療育」なのです。
親は知らず知らずのうちに「最高の療育」を行っているんですね。

家で療育をするメリット

家で療育を実践するメリットはたくさん。

  • 家族と触れ合う時間が増える
  • 毎日継続して行うことができる
  • 子どもが喜ぶことだけを選択できる
  • コストと通う時間を節約できる

良いことだらけですよね。
お家で楽しく、子どもが喜ぶことをして遊ぶことも、親にとってもストレスフリーです。

専門施設が必要な場合

もちろん、すべてのケースでお家療育が十分というわけではありません。
医師の診断や専門家のアドバイスが必要な場合もあります。

  • 発達のバランスが全体的に同じでない、または著しく何かが遅れている
  • 医師の診断で専門家の指導や介入が必要とされる場合

このような時は、専門家の意見を聞いたり、お子さんを見ていただくことが非常に大切。

また、もし自分に合った先生や、お子さんが好きな先生が見つかれば、その先生がいる施設に通うことも一つの選択肢。
「療育」の言葉に縛られなくても、発達を促してくれる施設があるので、色々見学してみることもお勧めします。
通うことがお子さんにとって良い刺激になり、成長に役立つこともあります。

施設に通うことに対する考え方

療育施設でのPT(理学療法)の先生とはとても信頼関係が築けました。
その先生からアドバイスを頂いてすぐに、息子はお座りが出来るようになりましたし、発達を促すおもちゃや靴もたくさん教えていただきました。

とはいえ、もし通っていなかったとしても、息子が歩けなかったわけではありません。
息子は「児童発達施設」で先生方やお友達からたくさんの刺激を受け、ぐんぐん成長しました。

ダウン症児の「療育」まとめ

  1. 「療育」「発達支援」は言葉は違うが、障害のある子どもの力を引き出してくれる支援
  2. 「療育」は必要だが、専門施設に通うことだけにこだわる必要はない
  3. 親や兄弟、お友達とかかわり、一緒に遊ぶことは「最高の療育」
  4. 子どもにとっても、親御さんにとっても通いやすく合った発達支援があれば、通うことでお家では出来ないたくさんの刺激を受けられる
  5. 気になることがあれば専門家に相談して、必要と判断されれば専門的施設に通う

我が家は医師に相談した結果、

「今は児童発達施設を卒業し、普通の幼稚園に通って、周りの子どもたちから刺激を受けた方が良い」

とアドバイスをいただきました。それを受けて、3歳からは児童発達施設を卒業し、幼稚園に通うことに。
ただ、通っていた児童発達施設の先生が大好きなので、月に一度、遊びに行く感覚で通わせてもらっています。

通いやすく、信頼できる施設が近くにあれば、ぜひ通ってみることをお勧めします。
しかし、無理に合わない施設に通うことは、親子にとって大きなストレスになることが多いです。

「合わないな」と感じたり、お子さんが嫌がる場合は、その気持ちを大切にして、
一度「しなきゃいけない」という気持ちを横に置きましょう。
そして、焦らずに信頼できる楽しい場所を探してください。

「早期療育」という言葉に焦りすぎて、必ずどこかに行かなければならないと感じることはありません。
お家でできることを、楽しみながら一緒に取り入れていくことも大切です。

毎日お子さんと触れ合っているその時間も、実は「療育」であると思っているとほんの少し気持ちが楽になると思います。

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毎日やってくるお食事タイムの救世主【doddl(ドードル)】
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